2009総合優勝の軌跡
ようやく勝てた、というのが実感です。
選手1人ひとりみれば、「いけるはず」と思っても、総合力で競うインカレは、やってみなければわからなかったから。
リレー前夜のミーティングで、クロスカントリーの選手全員に箱根駅伝の話をしました。
「今年の競走部はいけると思って見ていたが、往路・復路10選手の総合力では予想と異なった結果であった。
襷をつないでも最後までわからない。」と。。。
駅伝と一概に対比はできませんが、最終日のリレーでは、「みんなで粘って、つないで、勝つ」ことしか考えていませんでした。 選手も私も、リレーでリベンジしたかった。だからこそ、リレーを制して完全優勝したかった。
結果として、総合優勝の「優勝旗」「秩父宮杯」、リレー優勝の「旧秩父宮杯」 を持ち帰ることが出来ました。
ありがちな言葉ではあるが、選手がよく頑張った。その瞬間、ねぎらいたい気持ちでいっぱいでした。
今回のインカレで、私としてのこだわりがいくつかありました。
- 何が何でも総合優勝。 → 選手の実現。
- クロスカントリー種目で100点ゲーム。 → 残念ながら未達。
- 最高優勝得点(178点)を超えて優勝。 → どうにか達成。
選手にも伝えてこだわったのは 1 と 2 のみで、3 は私の中でのこだわりです。
【自己分析】
- 4年生が結果を残せないインカレは負け戦になりかねない。
今回は4年生が結果を残した。 - 上級生のリードの仕方・させ方がモノをいう。
今回は3・4年生が団結して部をリードした。
春から故障者・怪我人が多く諸課題も山積みで心中は決して穏やかでなかった。むしろ例年より危機感増加。
今思うと、部員に事あるごとに課題を山ほど伝えたことが、しばらくすると結果として具現化された。
このことは、主将・チーフなど上級生がトレーニング面・日常生活面などあらゆる点でキャプテンシーを発揮したからにほかならない。 - トレーニングでの Scrap&Build(スローガン)が選手個々に緒についてきた。
- 部員も私も、みんなが強い気持ちを持ち続けた。
- 競技力向上の環境づくり、日常生活での環境づくりが整ってきた。
- 最後に、個人個人の強化がチームの力に反映した。
外) それでも課題は山ほどあります。
早稲田優勝の陰にはいろいろな想いがあります。 多くは語れませんが。。。
- インカレ2日目に予定していた選手を急きょ代えた。
結果的にチームにとっては正解。はずされた選手は必ず這い上がってきてほしい。
- リレーの1走に1年生を起用することを考えたが結果的に4年生を起用。
4年生にとってはラストインカレ、結果的にはOK。彼にはこれまでの道のりをもう一度思い返してもらい、 併せて、そこで感じたことを次代の下級生につないでもらいたい。
- 昨年までの主力選手を1レースしか出場させず下級生を起用。
また、故障している主力選手の全エントリーをはずしました。ミーティングでもその選手は悔しさをにじませていたが、チームのためにすばらしいサポートをしてくれました。
競技者としては屈辱的な部分ですが、長い人生を鑑みれば活きる経験。
このことを誰もが感じてくれたはずと信じています。
選手1人ひとりの頑張りの積み重ねが、インカレの総合得点。
早稲田のエンジを着ることの厳しさ・意味をインカレを通じて実感してくれただろうか!?
大前提として、1人ひとりの部員が大事。 その上で 「個人の力をチーム力に変える」、 これができた早稲田は最高のチームになりつつあると思う。1人ひとりの部員の努力と根性に拍手を送りたいと思います。
2年ぶり18度目の総合優勝!
ついに、その瞬間がやってきました。
なんとしても最終日のクロスカントリー・40kmリレーで勝利し、旧秩父宮杯を奪還して、完全優勝したい。。。
アンカー柏原暢仁(スポ2)が、ゴールエリアに集まっていた部員めがけて、校旗を掲げて歓喜のゴール。
「ワセダ」「ワセダ」の大合唱! なんと感慨深い光景だろうか。
チーム全員で勝ち取ったインカレ総合優勝という「勝利」。このためにやってきたといっても過言ではありません。
女子は、アルペンの頑張りで追い上げ、最終日のクロスカントリー・15kmリレーでは2走・3走で粘ったもののリレー3連覇に届かず。 総合準優勝。
どちらかというと課題が残ったインカレとなりました。
とりわけ、リレー3連覇はどこの大学も成し遂げたことがなく、本当に難しいことにチャレンジしたと、終わってみて感じた次第です。
総合優勝! 優勝旗と秩父宮杯を拝受
表彰式。
「優勝旗」を受け取った 主将・宮本康希(スポ4)、
「優勝の賞状」を受け取った 副将・佐藤祐亮(スポ4)、
「秩父宮杯」を受け取った清水宏康(人科4)、
2年ぶりに奪還した優勝は言葉に出来ないほどの感激。 「言い表す言葉がありません」とは選手の弁。
全員の力で勝ち取った総合優勝。 おめでとう!
クロスカントリー・リレー優勝! 旧秩父宮杯を拝受
クロスカントリー・リレーでは、優勝しかありませんでした。
1月16日、30kmを終わった時点で、各選手とも体が動いていましたし、何よりも勢いがありました。
1走は藤田紘基(スポ4)か小山内優太(スポ1)か正直なところ悩みましたが、他の3名は悩むことなく、 とにかく、昨年のリベンジとリレーを制して完全優勝することしかありませんでした。
選手の粘り・サポートに回った選手の魂・応援の方々の気持ちが1つになって「勝利」を手にすることができました。
ジャンプ・コンバインド
1月12日、コンバインド種目初戦、スプリント前半ジャンプでトップに立った宮本が失格となり暗雲が立ち込めました。 しかしながら、畠山(スポ3)・渡部(スポ2)らコンバインドチームは個々の気持ちを切らすことなく、チームとして1つになり跳ね除けてくれました。
渡部(スポ2)はワールドカップ組として負けるわけには いかず、一方、畠山(スポ3)はナショナルチームからはずれ、 這い上がるためにも一矢報いたい。 その想いのはざまで2人とも連日の1・2フィニッシュ。
とりわけ、渡部は自分の勝利に加え、チームを意識したレース展開をしたと感じました。 それは、後半のクロスカントリーで、上手に畠山や小山(スポ2)をトップグループに巻き込みレースを引っ張ったところに出ています。
小山・北村(スポ2)も後半に粘り見事に入賞し、コンバインドで大量得点を稼ぎました。
ジャンプでは、松野尾(スポ3)が本来のジャンプを2本とも揃えることができませんでしたが、それでも、個人戦では5名が入賞し、 近年のインカレで初の大量得点で、種目別トップとなりました。
団体戦では、優勝は逃したものの、スペシャルジャンプ選手を複数擁する明治大を脅かすレベルで2位と大健闘。
アルペン
男子はGSで清水(人科4)が7位とインカレ初得点。
SLで小鷹(教育2)が8位。 佐藤(スポ4)・田中(スポ3)の11位がとても残念ですが、 現状のチーム力を鑑みれば粘ったレースだったと思います。
女子は、スキー界で「なでしこワセダ」と言われるほどの強力な陣容。その通り、パフォーマンスを出しました。
個々に見れば、もっと上にいけた選手もいますが、3種目とも2~3名入賞することで、女子の得点を大幅に支えてくれました。
そして、今インカレでは1種目しか出場できなかった竹林(人科4)は、昨年までアルペン女子を一人で支え、その粘りと頑張りと人間力に私たちは常に熱いものを感じていました。
悔しさを押し殺し、笑顔で後輩のサポートを一生懸命行なっていた彼女に拍手を贈りたいと思います。
リザルト以上に、佐藤・清水・竹林が大所帯となったアルペンチームを1年間よく引っ張ってくれたことをここにあらためて記したいと思います。
クロスカントリー
スプリントで木村正哉が接触に巻き込まれ不運にも上位に入れず、厳しいスタートから始まりました。
それでも、柏原(スポ2)がスプリント2連覇し、早稲田に勢いをとどめてくれました。 その後、10kmクラシカル・30kmフリーでは5名が入賞するなどチーム全員が粘りを見せてくれました。
木村は30kmフリーで2連覇し、他にも全レースでチームを牽引し、大役を果たしてくれました。 とは言うものの、100点ゲームを目指したクロスカントリーチームは、結果的に、得点に換算すると10数点ほど取りこぼしたと思われます。
そして、最後にリレーで勝利したことは言葉にできないほどの喜び、これで完全優勝です。
女子は、小林(スポ3)が10kmフリーで2連覇、柳舘(スポ1)が1年生ながら個人3種目ですべて入賞と気概を見せてくれました。
残念なことに、故障続きの丸山(スポ3)が欠場を余儀なくされたことがワセダにとって大きなマイナス要因でしたが、 これがワセダに与えられた環境と受け入れるしかありませんでした。
最後のリレーまで諦めることなく、気持ちを強く持って戦った彼女たちでしたがリレー3連覇を逃しました。
丸山にとってはチームを支えることがどんなことなのか、今インカレで初めて理解できたと思いますし、角田(スポ4)は、 卒業生の大類美咲や畔上尚子が築いた女子クロスカントリーチームを牽引することの重さを肌で感じたことと思います。
監督コメント
春から故障続きだった選手・夏に怪我をした選手・シーズン直前に崩した選手など、どん底までいった選手も多く、 個人もチームも決して順風満帆ではありませんでした。むしろ例年よりしんどいスタートでした。
インカレで優勝できたことは、日ごろから個々が自ら考えながら努力し続け、その力をチームに吹き込んだからだと思います。
それにしても夏にどん底までいった選手が出場して頑張ってくれたことを思うと目頭が熱くなります。 主役である選手ひとりひとりが、よくやってくれました。
特に4年生、いろいろなアクシデントや問題が今年は多かった。その中で、宮本主将を中心によく辛抱し、リードし、 前進してくれたと、つくづく思います。ご苦労様でした。そして、ありがとう。
そして、サポートにまわって選手を支えた部員にも大きな感謝をしたい。悔しさを味わったり、サポートすることの大事さを知ったりと、 君たちの今後に大いにプラスになると信じています。
宮内先生はじめ大学関係各位、影で支えてくれた選手の両親、稲門強化委員会の見谷さん・宮嶋さん・佐藤さん、白いコートを 着て会場のあちこちで熱い声援をしてくれた先輩方、遠くから激励を送ってくれた方々に感謝をしたいと思います。
大会地では地元の山本 進さん・永井秀昭さんにはジャンプコンバインドのサポートをしていただきました。
なにより、日ごろから選手強化をともにしてくれているコーチ陣、山田和由コーチ・富井 彦コーチ・河野孝典コーチ・岡田利修コーチ・岡本英男コーチ・高橋幸一郎コーチ・アシスタント藤田善也さん にお礼を申し上げたいと思います。
みなさん、本当にありがとうございました。 早稲田スキー!最高!!