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2013

2011年 インカレの軌跡
監督 倉田秀道
2011総合優勝の軌跡
 

総評

男子・女子ともに、全種目にまんべんなく得点し、早稲田の総合力を印象づけた大会になったと感じます。 
男子は、最終的に2位中央大に40点近くの差をつけて3連覇、女子は、総合優勝を一時は手中にしたものの自ら手放してしまい僅少差で2位に甘んじました。 しかしながら、女子は最終日まで総合優勝争いをし、首位校を追い込みました。

今季のインカレは、ノルディック世界選手権に渡部暁斗(スポ4)・柏原理子(スポ1)の2名を送り出し、いわば主力不在でした。 また、ユニバーシアード冬季大会に出場した10選手が帰国直後の冬季国体に出場、さらに、インカレが国体直後の開幕だったため、当該選手は疲労を残したままでした。 
早稲田として決して万全な状況で臨んだ大会ではありませんでしたが、オフシーズンからそのことは折込み済であったため選手たちには夏から(チームとして) 最悪のシナリオでの戦いになることを意識づけていました。反面、実態はといえば、大会期間中、5~6名の選手が病院に通い、3選手が点滴をするなど、 一時はクロスカントリー陣は満身創痍に近い状況になりかけました。 
そんな状況で臨んだインカレでしたが、夏のトレーニングはウソをつきませんでした。選手は疲労感を持ちながらも高い意識と勝利への執念で、結果を残し、よく戦ってくれました。 
やはり最高のメンバーでした。

我々も選手が試合に集中できる環境を可能な限り整える準備をしました。トレーナーさんには早朝から深夜まで選手のケアをしていただき、 試合会場でもスタート直前までサポートしていただきました。 
また、ノルディック種目はワックスサポートが重要であるため、2名のスタッフと補欠選手が総動員で選手を支えてくれました。 スタッフと試合に出場できなかった部員のサポートは表面的には見えませんが大きな下支えでした。

試合概況(男子)

<アルペン>

スーパーG入賞の波多(スポ3)・GS入賞の小鷹(教育4)・SL2位の河野(スポ1)と、3種目でまんべんなく得点し最低限の責任を果たしてくれたことが大きいと思います。 しいていえば、GSとSLではあと1名ずつ上位入賞できるメンバーであったため、もう少し勝負強さを出してほしかったところです。得点圏に入る2本目の滑り方など インカレ特有のレース戦略を少し考えてアタックすることも必要であろうと感じます。 
ただ、100分の1を争うアルペン競技にあってフルアタックした結果なので多くを語る必要はありません。 アルペンチームへの期待は25点以上でしたが、期待のミニマムである17点を獲得してくれて基礎票となりました。

アルペン(男子)
アルペン(男子)
 

<コンバインド>

初戦のグンダーセンで小山(スポ4)が優勝したことが大きな収穫です。1位・5位・8位と出場3選手が入賞しましたが、 当該3選手ともに表彰台を狙える選手なだけにやや残念なところは否めません。レース内容としては、小山が後半クロスカントリーでLAPで優勝したことは評価できます。 
2戦目のグンダーセンは、組織委員会で後半クロスカントリーを10kmから5kmに変更されたためそこを想定したレースができなかったことが悔やまれます。 
クロスカントリーで追い込みきれず、ジャンプ上位選手に逃げ切られたレースとなり、取りこぼした結果となりました。

コンバインド(男子)
コンバインド(男子)
 

<ジャンプ>

個人戦では、渡部善(スポ1)のジャンプの調子が上がり2位に入りました。残念な点はスペシャルジャンプの原田(スポ1) が表彰台を狙える選手であるはずが自分のジャンプができずに6位に甘んじたことです。 
結果的には、追随する他校を少し引き放すことができたので、最低限の役割を果たしてくれたことになります。団体戦は、渡部・小山・原田の布陣で臨み、 渡部が1本目から大きなジャンプをし、続くメンバーも安定したジャンプで優勝し2連覇しました。この団体戦優勝は大会後半に 行なわれたため早稲田にとっては総合優勝に向けて大きな後押しとなりました。北村(スポ4)の支えも大きかったと思います。

ジャンプ(男子)
ジャンプ(男子)
 

<クロスカントリー>

クロスカントリーチームでインカレ100点ゲームを目指してしましたが、結果は108点を獲得しました。 
初日、スプリントで柏原(スポ4)が同種目インカレ4連覇を果たすとともに、2位宮沢(スポ1)・3位立崎(スポ4)と表彰台を独占しました。 しかしながら、4位以下の入賞がなく選手の疲労が抜けきれていないことが気になりました。10kmフリーでは柏原が優勝、疲労の心配をよそに 出場6選手全員が入賞し大量得点となりました。苦しくとも粘りきって入賞した、この1点・2点がとても大事です。 
30kmクラシカルでは、宮沢が優勝・レンティング(スポ2)が2位、柏原が3位・西田(人科1)が4位と、1位~4位を早稲田が独占しました。 とりわけ、西田がレース後半順位を上げて4位に入ったことは収穫であると感じます。
最終日のリレーでは選手の疲労もピークだったと思いますが、2走までリードしたものの、3走でストラクチャーミスもあり2位に下がってしまいました。 最終的に4走柏原で1分10秒ほどの差をつけ3連覇を達成し、旧秩父宮杯を再び手中にしました。

クロスカントリー(男子)
クロスカントリー(男子)

☆男子リレー3連覇は1940年(昭和15年)以来71年ぶり

 

試合概況(女子)

<アルペン>

総合力では大学日本一との呼び声高い早大アルペン陣ですが、初日のスーパーGでは上位入賞は水口(スポ4)の5位が最高位で伸び悩みました。7位に後藤(教育1)が入り次につながる滑りをしました。 
続く、GSでは水口が見事に優勝、3位に向川(教育1)・4位に眞田(スポ1)・7位に長田(スポ3)と4選手が入賞し大量得点を獲得し、総合優勝に向け大きなアドバンテージとなりました。 
最後の種目であるSLでは、水口が優勝し2冠を獲得しましたが、8位に山崎(教育4)が入賞。 
この試合前に向川が転倒し足をひねるというアクシデントがありDNSし、眞田は1本目6位につけたものの2本目DNFと、 アルペン陣としては残念なレースとなってしまいました。この時点で日大に15.5点差をつけ早稲田が首位でした、早稲田として総合優勝するために、 SL競技はここ一番というレースでした。結果として弱さが露呈してしまいました。ここに早稲田アルペン陣の課題があろうかと思います。

アルペン(女子)
アルペン(女子)
 

<クロスカントリー>

初日、スプリントでA決勝に3名が残り、古谷(スポ1)が優勝、5位本山(スポ2)・6位柳舘(スポ3)と入賞し、早大女子の勢いを感じさせてくれました。 続く、5kmフリーでも古谷が優勝、柳舘・本山もそれぞれ8位・9位に入賞しましたが、2位~5位を日大勢に埋められ、強豪校の勝ち方を教えられたようでした。 
10kmクラシカルでは、本山が2位と気をはき、7位に柳舘が入ったものの、日大が出場5選手全員入賞するという伝統の力を見せつけられました。 
この時点でアルペンが少しつくってくれた貯金を吐き出し、早稲田は3.5点差の2位。 
しかしながら、古谷が2冠、本山もクラシカル表彰台、柳舘も全種目入賞と、それぞれが意識高く責任感を持って自分の役割を果たしてくれました。 
最終日のリレーで勝利し総合優勝の望みをつなぎました。リレーは、1走で差が開いたものの、2走古谷が区間LAPの快走で十数秒差に詰めたものの、そのまま2位でゴールしました 
早大女子クロスカントリー陣の課題は、継続して全体の底上げを図ることであろうと感じています。

クロスカントリー(女子)
クロスカントリー(女子)
 

4年生ラストインカレ

ともに4年間切磋琢磨し、同じ釜の飯を食べた仲間との最後のインカレが終わりました。 
4年生の諸君には、早稲田を志し、早稲田で頑張ってくれてありがとうと言いたい。 
ここでは書けない、いろんなことがありましたが、インカレでも部員をリードしてくれて よく戦ってくれたと思います。 
私も最後には涙しましたが、印象的な場面を見ました。 
それは、男子クロスカントリー30kmの試合中、柏原と立崎に対し涙を流しながら大きな声で応援していた小山と北村を目にしました。 
全日本選手権に移動しなければならず、最終日まで全員で過ごせなかったことは残念でしたが、みんなの魂は花輪に残っていました。そして・・・4年生の絆と意地は大きかった。

4年生ラストインカレ
4年生ラストインカレ
 

故 野上幸寿くんに捧ぐ

早大スキー部OBでJR北海道で現役クロスカントリー選手であった野上選手。 
2010年7月に他界したことは我々にとっても、とても辛く悲しい出来事でした。今回のインカレでは野上くんの志を少しでも現役部員が受け継ぐことができるよう喪章をして臨みました。 
開会式直後に行なわれた早慶エール交歓の前に慶應大学スキー部の皆さんとともに黙祷し、勝利を誓った次第です。 
男子3連覇を達成し、クロスカントリー陣も大活躍したことで野上くんの供養になっていれば・・・と思います。

雑感

今回のインカレは、4年生の意地と1年生の頑張りが印象に残りました。 
日常生活ではわきまえて生活し、競技になれば上も下も関係なく優勝を狙う。元気印の1年生がそのまま雪上にいてくれたことが嬉しい。意識の高さと勝利への執念をオフシーズンから培った賜物であろうと感じます。 
また、試合に出場できず、黙々とサポートし応援に回った部員には私からも感謝したい。 
「個人の力をチームに、チームの力を個人に」・・・まさに、このことを実践してくれたと思います。

個人の力をチームに、チームの力を個人に
個人の力をチームに、チームの力を個人に
 

支え

冒頭に記した通り、トレーナー・コーチなどスタッフ、試合に出場できない部員の支えなしではインカレを語れません。 
そして、応援部は初日から最後まで雪上でずっと応援してくれました。 
早稲田スポーツ新聞会も最終日まで取材し、選手の活躍をアナウンスしてくれました。 
この場を借りてあらためてありがとうと言いたい。彼らの応援が選手の力になったことは間違いないと思います。

支え
支え
 

宮内先生は、忙しい立場にもかかわらず、今年も全日程、選手を見ていただきありがとうございました。 
OBの先輩方には、最終日まで遠いところ応援にお越しいただき、また、現地祝勝会も開催いただきありがとうございました。

【集合写真】